第10回四万十川ウルトラマラソン

2004/8/17 天気:晴れ

高知県中村市

記録:8時間53分36秒 (100km)

 四万十川(しまんとがわ)は高知県南西部、中村市に向けて流れ、最後の清流とも呼ばれる非常に美しい川である。そこを舞台に大規模な100kmウルトラマラソン大会が行われており、今回は第10回の記念大会である。東のサロマ湖、西の四万十川と呼ばれるほど大規模な大会で、3500人ほどの応募の中から1800人ほどが抽選で選ばれ、参加できる。今回はふっと申し込んだら当選してしまった。前週にも100kmを走るのでどっちでもよかったのだが、当選したからには挑戦するしかないと思い、参加してきた。コースの特徴は、他の100kmマラソン参加者からの情報では平坦で走りやすく、タイムが出やすいとのことだった。しかし、前日にプログラムをもらい高低図を見てびっくり、はじめの20kmまでに高さ600mの峠を越えるようである。その後はほぼ平坦のようであるが、どこが平坦なんだと思ってしまった。2週連続の100km、そしてレベルの高い大会ということで、今回はタイム、順位を狙うのは無理だと思ったので、完走することを目標に大会に挑戦した。

 当日のスタートは朝5時半。2時半に起床し、3時過ぎに朝ごはんを食べ、スタート会場まで送迎してもらいスタートを待った。当日の天気予報では快晴で気温も上がるということだったし、高知県は日本の中でも暖かいほうなので、この時間でも寒いということはないだろうと思ったのだが、走る格好をすると非常に寒い。震えるほどで、息も白い。

   

 100kmの出走者は1500人ほどで、これまで自分が出た大会の中では一番多いものなので、やはりいっぱいいるなぁと思った。こんなにも100kmを走ろうという人たちがいるものなんだ、普通の人が見たら異様な集団に思うだろうと感じた。そしてスタート。真っ暗の中、周りの人とぶつからないように進む。平均的なペースよりは速いせいか、しばらくするとようやくばらけて走れるようになってきた。走り出してみて、まずチェックするべきことは先週のダメージがどれほど残っているかということだった。先週の前走から筋肉痛が出ることはなく、そこそこ快調に走りはじめられていたので、予想以上に調整できたという実感はあったのだが、当日の調子は当日になってみないと分からない。5kmくらい走って、感覚とタイムと比べてみると、思ったよりタイムが伸びない割に体が重い。やはり前週のダメージなんだろうか。もうこうなったら行ける所まで行ってみるしかない、後のことはそれから考えよう、普段の目標ペースである5分/1kmにあわせて走っていく。

   

 しばらく走ると、ようやく夜が明けてくる。そしてどういうところを走っているのかが分かってくる。山間の川沿いを走っているようである。そして10km。一応の予定通り50分で通過する。それから徐々に登り始めていく。登っているとはちょっと気づきにくい程度に。10kmくらい走ったら、なんだかちょっとリズムが乗ってきてペースが上がってしまった。でも、調子がいいのにあえて調整するようなことはしないで、そのリズムを大事に走っていく。途中でつぶれてもそれはそれでいい、それが今日のスタンスだ。

   

 ウルトラマラソンでは走りながらいろんな人と話をすることが多い。半分くらいのランナーは話に乗ってくれる。そんなに速く走らないからである。いくつもの大会を走っていると、別の大会であった人に再会することも多くなり、初めての100km挑戦の人と話すことも多々ある。この歳でそろそろウルトラマラソンのベテランになりつつあり、年上ばかりのウルトラランナーにえらそうに話してしまうこともある。15km過ぎから登りの勾配がきつくなり、21km過ぎまで登りが続き、600mの峠を越える。ちょっと道の横を見ると非常に高いところまで登ってきていることが分かる。しかも山と山の間から朝日が昇ってきそうになっており、木々が朝日に照らされ非常に美しい景色になっている。



 22kmくらいから30km過ぎまで一気に、木々の中、川沿いを下っていく。スピードに乗って下っているのでゆっくり見ているわけには行かなかったが、小川の水が澄んでいてきれいだった。

   

 30kmすぎ、下りが終わったころ、前が一気に開け、大きな川が現れる。四万十川だろうと思う。川の水が青緑で美しい。下りでスピードを出すと太ももの筋肉への衝撃が大きく、筋肉の収縮が効かなくなってしまうことが多々あるのだが、今回の長い下りでもそれがやや起きていた。そうならないように気をつけながら下っていたのだが、下りはついスピードを出しすぎてしまうのである。だから平坦になったときに足が出なくなってしまう。だが、この時点ではまだ5分/1kmペースは守れている。

   

 35km過ぎくらいから、前からペースダウンしてくる人が多くなってきた。きっと下りで飛ばしすぎて足が出なくなったのだろう。僕もここで落としたほうがいいかとも思ったが、今日は行ける所まで行くということなので、とりあえず頑張ってペース維持。しかしきっとこのままでは持たない。

      

 その後、50km地点くらいまで平坦が続き、自分のペースもそのまま維持できている。何よりも景色、川が美しい。

      

 50km地点を通過。その後すぐに変わった橋を渡ることになる。手すり等はなく、ただまっすぐな、狭い道があるだけである。落っこちそうだが、なんかかっこいい。

         

 その後ちょこっとした峠(100mくらい)を越えるが、これがきつい。とても走っては越えられない。



 日差しもきつくなってきたし、そろそろ暑くもなってきて頭がボーっとしはじめてきたので、隠し持っていた帽子をかぶる。そしてふたたび、澄んだ川にかかる一本の橋があった。川の水が増えたら流されてしまいそうである。

   

 さあ、このあたりからついに足が出なくなってくる。ここは60km地点。ここまではできすぎなくらいいいペースで来ていた。しかしやはりダメージはこのあたりからやってくるのか。ほんのわずかなのぼりでも登るだけの筋力がない。平坦と下りだけはそこそこ走れるのでそこで何とかペースのバランスをとる。だがそれはそのうち破綻が来るのは目に見えている。それでも今回は行ける所まで行くということで走っているのでOKである。美しい橋の袂の給水所で止まったらしばらく動けなくなった。写真に写った自分を見るとぜんぜんきつそうではないが、実際にはかなりきつい。

   

 それでも70kmまではそれなりに走れた。しかし80kmまではもう余裕がない。取った写真も数少ない。走る、または歩くことに集中しないと前に進めなくなってしまった。給水所で止まったときくらいしか写真がない。90kmまでも同様である。ここまでこのタイムでこれていれば、あとは歩いてでも制限時間内にゴールできるということがあるので、多少気楽にはいける。だんだん河口に近づいており川幅が広くなっていくような変化はわかる。同じような景色の中を走って(歩いて?)いるようだがちょっとずつ変っていて、それがまたいい。

      

 上の写真を見ると姿勢が変だ。疲労のあまり姿勢が保てていない。そして、疲れきって給水所で座り込む写真。だが写真を見るとぜんぜん辛そうに見えない。演技力がない。



 90kmを過ぎて、最後の力を振り絞って頑張ろうとは思うのだが、やはり力は入らない。90km地点の通過が7時間52分で、そこそこ走れれば9時間が切れる、自己ベストが狙える。先週は9時間2分と、わずかに9時間が切れなかったので、ちょっと頑張ってみようとは思うのだが。あと3kmを通過、しかし一向に最後の気力がわいてこない。



 そしてようやくあと1km。しかしここで意地悪のようなきつい上り坂が待っていた。もうはじめから走って登ることはあきらめ、確実に一歩一歩歩いて登っていく。そして最後、下り坂を一気に下っていきゴールへ。タイムは8時間53分36秒。先週より9分ほど速くなり、自己ベストを3分更新した。そして全体では44位、年代別29歳以下男子で6位であった。




 今回の大会、コースが走りやすいものだったために自己ベストは出たが、やはり2週連続で100kmを走るのは厳しいと感じた。60kmくらいまでは調子がよかったが、そのあとの落ち込み方が激しかった。この大会の感想としては、天気がよかったこともあり非常に景色がよく、また応援も暖かかったので走りやすく楽しかった。

ご意見・ご感想等、ぜひお寄せください。


記録・10kmごとのラップタイム
 
地点 通過タイム ラップ
0km
10km 50分47秒 50分47秒
20km 1時間40分59秒 50分12秒
30km 2時間26分16秒 45分17秒
40km 3時間11分30秒 45分14秒
50km 4時間00分14秒 48分44秒
60km 4時間51分15秒 51分01秒
70km 5時間48分28秒 57分13秒
80km 6時間51分38秒 63分10秒
90km 7時間52分19秒 60分41秒
100km 8時間53分36秒 61分07秒