第1回神宮外苑24時間チャレンジ
  兼IAU24時間走世界選手権日本代表選考記録会
  大会参加レポート

  2006年12月9日(土)〜10日(日)  天気:雨のち曇り


 3度目の24時間走参加にして、初めて最後まで進み続けられました。途中からはずっと歩き続けだったので、完走といえるかはわかりませんが。ということで、今回は「完走記」ではなく「大会参加レポート」として記しておきます。

 朝9時スタートの神宮外苑1周1326mの周回コース(日本陸連公認)で行われる24時間走に参加するため、朝7時前に寮を出発するが、すでに外は雨降り。寒いし走りにくいしではあるけど、予報では夕方頃やむらしいので、あまり悲観せず何も考えずに会場へ。男子10名、女子3名の有力ランナーのみが集まるこの大会、会場ではすでにみんなしっかり準備を進めていた。知っている人ばかりではあるので気は楽だ。
 さぁ、問題はどんな格好で、どんな作戦で走るかだ。天気は雨で寒い。カッパは持っていないし、あまり着込むと走りにくいし、なにより雨でぬれると余計に体が冷えそうで心配だ。ということで、走れているうちはそんなに体が冷えることもないだろうと思い、下は短パン、上は長袖2枚に薄手のウインドブレーカー、ビニール袋をかぶって走ることにした。雨がやんだら着替えよう。

 そして、朝9時にスタート。長い長い24時間の始まりだ。今回の目標は「最後までいること!」。とりあえず走りやすいペースでのんびりと走り出す。1周回ると約7分。大体1km5分ペースか。このまましばらく走り続けてみよう。
 1時間くらい走ると、だいたいみんながどのくらいで走っているのか分かってくる。僕は2番目に速く走っているようだ。予想通りだ。1時間で約12km。あまり気にしても仕方がないけど、ほかに考えることもないので、どうしても考えてしまう。
 12時。3時間経過。そろそろお昼か。のんびりお昼ごはんを食べるわけにはいかないけど、1時間に1回くらい薄皮つぶあんぱん1つと板チョコひとかけらを補給する。水はちょっとだけで十分。黄色く色づいたきれいな銀杏並木を見ようと、雨なのに結構人が来ている。
 この1週間風邪に悩まされているが、今日は朝からおなかの調子がいまいち。走っているときにも何だか違和感がある。
 3時。6時間経過。まだ雨がやむ様子はない。そろそろやんでくれないかと期待する。ここまでは順調に走り続けている。約72km。あんぱんも順調に消費する。思わぬ応援が来てくれたりしてうれしかったけど、思考回路はかなり低下させて走っている。とりあえず日が暮れるまで、そして夜になってからが本番だ。

 5時。8時間経過。日が暮れて辺りは暗くなった。そろそろ雨がやむだろうと思っていたのに、それどころか本降りになってきたようにも感じる。靴の中も水を吸ってぐちょぐちょ、服も水を吸っている。もちろん手はかじかんで動かない。それでも、まだ順調に走れてはいるのであまり気にならない。
 100km通過した。8時間30分前後。まぁ予定通り。まだ行けそうだけど、寒くて寒くて。テントの中にストーブを用意してくれていたので、しばらく休憩して温まることにした。ちょうど雨がやんできたようだったので、濡れた服を着替えることにした。濡れたままだと体が冷えて動けなくなってしまいそうだった。朝から気になっていたお腹は治ったようだけど、今度はセキが出るようになってきた。心拍をあげると苦しいけど、走っていないと寒い。さぁまたいくぞ。

 8時。11時間経過。約120km。雨がやんで寒くはなくなったけど、甘いものが気持ち悪くて食べられなくなった。今回僕が用意した補給物は、あんぱんやチョコなど好物の甘いものばかり。しょっぱいものが食べたかったが用意するのを忘れた。他のランナーのサポートの人たちから少しずついただいたが、あまりもらっては申し訳ないので、極力遠慮した。唯一自分で用意したもので受け付けられたものはプリンのみ。というか流し込めたから。黄色信号。
 9時。12時間経過。ようやく半分が過ぎた。約130km。お腹が痛いのではないけど、腹筋が痛い。着地の衝撃で腹筋が張り裂けそう。こんなことは初めてだ。最近のスピード練習、腹筋強化が効いているのか。補給も十分に出来なくなっているのでエネルギー切れも心配。でも、今回は行けるところまで行こうと心に決めていたので、まだ走る。そして、走れなくなっても絶対最後までいるぞ。

 11時過ぎ。足が止まり始めた。もうすぐ100マイル。順調に周回を重ねる実力者たちに抜かれる。まだこれからを1時間10kmでいけば230kmは行けるはずだけどきついかも。
 日付が変わる。15時間経過。もう走れない。気持ち悪い、エネルギー切れ、腹筋痛・・・。まだあと9時間ある。せっかくこんな大会に呼んでくれたので、最低でも200kmは行かないと申し訳ない・・・。あとずっと歩き続ければ200kmには届きそうだ。あと50km。絶対最後までいるぞ。そして200kmまでは行くぞ。情けなくて情けなくて・・・だけど歩くぞ。
 長い夜。2時ごろから眠くもなってきた。時々頑張って走ってみると目が覚めるけど、ずっと歩いていると眠くなる。時速5kmで歩いて1時間で4周。2〜3時間に1回、10分くらいの休憩。何とかあんぱんは食べられるようになった。というか気持ち悪くても呼吸が苦しくないから耐えられる。もう何も考えず周回だけを数える。多くの方に励ましてもらってありがたいけど申し訳ない。

 6時すぎ。21時間経過。ようやく空が青くなり始める。明るくなると眠気はおさまってくる。それでもそれ以外の状況は何も変わらない。歩き続けて6時間。何とか時速5kmは維持して歩き続けられている。それでも、さすがに歩くのもつらくなってきた。こんなに歩くのがつらいと思ったことは初めてだ。あと3時間で200kmまで残り10km。200kmまでは、200kmまでは行かないと。その気持ちだけで心がつなぎとめられているようだ。
 7時。22時間経過。ようやく夜が明けた。朝の散歩、ランニング、ラジオ体操をする人たちが集まり始める。あと4周で200km。とりあえずもう少し、もう少し。夜中じゅう頑張って走り続けていた人たちにも疲労が出始めているようできつそうだ。それでもすごい。
 8時。あと1時間。なんとか200kmは超えることが出来た。よかったぁ。ほっとしたので休憩したら動けなくなってしまった。「これ以上、何のために歩き続けるんだろう?待てよ。そうだ、今回は最後までいることが目標だったんだ。それは最後まで進み続けることのはずだ。」あと45分。もう少し距離を積み重ねる。カウントダウンが始まる。それにしても、なんて長い30分、20分、10分なんだ。おそらく最後の周回。「あと5分。」最後は砂袋を持ち、あと少しなのに走る気にもなれない。それでも最後の最後の3分だけは何とか走り、笛の合図とともに砂袋を置く。「おわったー。」座り込んでしまった。もう気を張って歩かなくてもいいんだ。しばらく座り込んでいたが、歩かないとテントまで戻れない。でももうゆっくり歩いてもいいんだ。大勢の方にお疲れ様の言葉をかけてもらい、他のランナーとも健闘をたたえあい、ゆっくりゆっくりテントへ戻る。

 ほっとして口は元気になったけど体は動かない。それでも、気合を入れなおして帰り支度。いろいろ散らかしてしまっていたけど、考えるのがめんどくさいので、ごみ以外はすべてバッグの中へ。ちなみに、万歩計は20万歩を少し超えた値を示していた。約20万mで20万歩。
 しばらく後に結果発表、表彰式。僕の記録は204kmちょっと。優勝者の記録とは約40km差。すごい。確かに記録としては満足の結果を残すことは出来なかったけど、気分的にはとても満足していて充実感に満ちていた。やっと24時間最後までいることが出来たんだ。そして本当にいろいろ勉強になった。ペース配分や考え方など。今回の経験は絶対に役に立つと思う。とても充実した24時間走だった。大会関係者やサポート、応援してくれた方々に大変感謝しています。ありがとうございました。


<番外>

 前々から、走り終わったらバイキングで食べまくろうと思っていたので、近所のバイキングに行ったが、少し食べて気持ち悪くなったので帰ってしまった。食欲はあるのに体が受け付けなくて非常に残念。うんうんうなって寝て、夜になって治ったと思い食べ物をたくさん買ってきた。それでも、また少し食べて気持ち悪くなってうんうんうなる。一応お腹には入ったけど、消化吸収機能がかなり疲れていて鈍いようだ。
 翌日朝、ちゃんと起きて会社にいける自信がなかったけど、激しいセキと鼻血でびっくりして目が覚めた。おかげでちゃんと会社には行けた。日常生活が送れる程度には、思っていたよりは体は回復していた。今週末のフルマラソンまでにどのくらい回復するか興味がある。