第20回 サロマ湖100kmウルトラマラソン 
                     兼 IAU100kmワールドカップ2005

                          

  2005/6/26  天候 : 晴れ

  北海道網走支庁 サロマ湖周辺


 広大な北海道、その道東に位置しオホーツク海につながるサロマ湖。この周囲を走る日本で最も有名な、そして最も大規模でレベルの高い100kmウルトラマラソン。それがこの大会だ。この世界では「サロマ」で通じる。そしてこの大会のコースは最大高低差50mとほぼ平坦なため、記録が出るという話だ。ウルトラランナーにとって話題の中心になる大会だ。そして日本陸連公認の唯一の100kmマラソン大会でもある。
 なかなか魅力的な大会なのだが、何せ遠くて行きにくい。お金もかかるし、これまではあまり行こうとは思わなかった。しかし、今年は20回の記念大会。そしてワールドカップが同時開催なのだ。100kmマラソンにもワールドカップがあって、日本代表もいるのだ。びっくりだった。

IAU100kmワールドカップとは?

 ”今年の100kmマラソンの世界一を競う「IAU100kmワールドカップ2005」が11年ぶりにサロマで同時開催になります。1994年の同時開催時には18カ国102人の招待選手らが集い、国際色豊かな大会として盛り上がりました。今年は前回を上回る25カ国約180人の選手が100km世界一を目指します。さらに国別対抗戦もあり、日本は上位入賞が期待されています。”
 〜以上、案内からの引用。とにかく盛り上がりそうなので参加することに決めた。参加者全体では約3200人にもなるそうだ。サロマ湖といえばホタテ。そして、周りは本州にはない景色ばかりなので観光も楽しみだ。というか観光のほうが楽しみだったりもする。

そして大会・・・

 6/25(土) 大会前日

 釧路空港から北海道に上陸し、レンタカーで大会会場まで移動。北海道はでっかくて気持ちがいい。またこんな道を自転車で走れたらなぁと思った。寄り道をしながら受付会場に着くと、サロマ湖産のホタテをただで配っていて食べることができた。みんなで焼きながら。とってもおいしい。また、会場にテントを立てて泊り込んで準備している(というか楽しんでいる)人たちが多くてびっくりした。

  

 そして、今回はワールドカップ同時開催ということもあって、各国の代表が旗を持って行進するセレモニーの後、前夜祭が行われた。前夜祭は狭いホールに多くの人が入っていたため、あきらめて出てきてしまった。写真は今年の日本代表の集合写真。たまたま撮れてしまった。



 そしてゴール地点に移動。車で明日のコースの半分くらいをたどることになったのだが、「100kmってなんて長いんだろう」と初めて感じた。車でもこれだけかかるのに。明日は朝3時にバスでスタート地点に送ってもらって、スタート。それまでは、ゴール地点で車の中で暮らすことになる。


 6/26(日) 大会当日

 車の中ではあまり良く寝れず、何度も目が覚めた。そして夜1時ごろには、しっかり雨が降っていた。「これは今日は雨の中走ることになるのかな?」最近、雨の中走ることについて苦手意識はないが、デジカメの取り扱いが不安である。特に、今回はこれまでと違う自社のもの。これまでは結構雑に扱えていたが、これはどうだか分からない。
 そして朝2時起床。雨はやんでいた。3時発のスタート地点行きバスに乗る。1時間くらいかかったが、ずっと寝ていた。朝3時にはもう空は青くなり始めていた。そして4時にはあたりはもう明るかった。さすが北の大地北海道。しかも夏至を過ぎたばかりだ。
 スタートは朝5時。やはりすごい人の数だ。こんなに100kmを走る人がいるなんて。2000人は軽く越える。まもなくスタート。



 スタート地点の湧別周辺をぐるりと回って、オホーツク海とサロマ湖に挟まれた岬の先っぽへ。サロマ湖は真ん中でオホーツク海につながっているため、岬の先っぽに行って折り返してくる。折り返してちょっとすると20km。序盤はウォーミングアップ。前回の反省を生かしてペースは絶対に上げない。10km50分ペース。まあまあ。

  

 そしてこっちは15km。向こうは20km地点でトップとすれ違う。ワールドカップなので世界チャンピョンだ。ものすごいペースで走っており、あんなペースで100kmも持つのか?と思ってしまう。しばらくすると自分も折り返し。



 そして両側を海と海のような湖とに挟まれた一本道を戻っていく。後ろには大勢のランナーが続いていた。



 ここあたりはまだ余裕のペースで走っているので、同じペースで走っているドイツの女性ランナーと国際交流。一応僕の英語も通じようだ。せっかくなので外人ランナー(各国代表選手だが)に積極的に話しかける。さすがワールドカップ。
 とにかく北海道は広い。特に空が広い。天気も素晴らしく、雲ひとつないきれいな青色をしていた。30kmを過ぎてもペースは1キロ5分イーブン。狙い通りである。調子よくても飛ばしすぎない。



 しばらく走っていると、突然沿道の人から名前を呼ばれた。以前に大会で知り合いになった人だった。びっくりした。写真を撮ってもらった。そういえば、走るのに集中していて写真を撮ってもらうのを忘れていた。



 しかし本当に広い。景色がダイナミックだ。それでいていろいろな顔を持った景色で、あきがこない。どこまでもどこまでも続いていきそうだ。



 そして、ついにサロマ湖沿いの道に出た。まるで海のように大きい。日本で3番、北海道一大きな湖だそうだ。そして湖面は太陽の光が反射してきらきら光る。写真の枠には収まりきらないので言葉だけでしか伝えられない。走りながら写真を撮るのではなおさら上手くとるのは難しい。そして42.195km地点も通過した。まだまだペースは維持。いけている。

    

 45km過ぎたころからアップダウンが多くなってきた。このコースはほとんどアップダウンがないと聞いていたが、思ったより大変なアップダウンがいくつも続く。またか、またか、まだあるのかっていう感じ。徐々に脚の動きが鈍くなってくる。重たく感じられるようになってきた。しばらく一緒に走っていた10代の大学生は元気に先へ行ってしまった。50kmを過ぎると急激に脚が動かなくなった。まだ半分あるぞ。

 50km地点にあるちょっとした丘を越える。もうだめだ。再びサロマ湖へ向けて下っていく道。下りなのに前に進む気がしない。青い海、いや湖。飛び込んでしまいたくなる。その下ったところに給水所があって助かった。これまではほとんど滞在することのなかった給水所だが、長居しないとやってられない。

  

 美しい湖岸沿いの道。しかしはるか彼方、湖の反対側にはこの先のコースがかすかに見える。あそこまであんなにぐるっと回っていかなくてはいけないのか。



 再び内陸に入りアップダウン。そして湖岸沿い。そして湖岸沿いの林の中。ようやく日陰になり、気持ち的に楽な気がする。日差しは非常に強いが、いい天気だ。そしていいところだ。歩きながらふと思った。「100km走っているんじゃなかったら気持ちは最高なのになぁ」



 もう、5kmおきのエイドステーション(給水給食所)を心の支えに進んでいるだけの状態だが、それ以外にもこんな私設エイドがあったりしてとてもうれしい。体中に水をかける。でも靴にはかけないようにして。ぐちゅぐちゅになると走りにくいから。



 美しい湖、そしてまっすぐな果てしない道。走っては歩き、走っては歩きを繰り返しながら75kmくらいまではやってきた。この大会は、他の100kmの大会に比べると食料の種類が少ないが、そうめんが登場した。お腹はそこまではやられていないので、この先の長期戦のことを考えて食べておく。写真では何を食べているか分からないな。



 北海道の湖は、なんだか沼みたいな湖であることが多い。だから湿地帯が多いような印象を受けている。



 ようやく80km。そしてこの先は、ついにこの大会のクライマックス、ワッカ原生花園の往復20kmだ。サロマ湖とオホーツク海に挟まれ細長い半島のように突き出した岬に向かって10km行って、同じ道を10km帰ってくる。多くのランナーともすれ違う。原生花園とは手のつけられていない地帯ということだと思う。美しい。しかしどこまでも続くほぼまっすぐの一本道。微妙にアップダウンも繰り返す。ところが、ここまで無理をせず歩きながら来たせいか、ようやく少し復活してきた。何とか走れる。太陽に向かって果てしなく続く道を行く。

  

 エイドでスイカを食べた。いくらでも食べていいというのでいくつか食べた。走っている最中じゃなければもっと食べたかったが、まだ先があるので控えめに。種を土の上に落としてしまったが、ここからスイカが生えてくるのだろうか。原生花園でこんなものを植えてしまっていいのだろうかと思った。
 折り返し地点までは、と思い90km付近の折り返し地点まで頑張って走った。ただ、折り返したら緊張が切れたか疲労感がどっと出てまた歩きが入ってきた。

  

 同じ道を帰る。気力で戻っていく。しかし、しばらくずっとこの景色なので、どこまで行ってもこの景色が続くような気がしてきた。95kmを通過しても全然あと5km、もう少しなっていう感覚はわいてこない。まだまだ道が続いていく気がしてしまう。

  

 ときどきオホーツク海も見える。湖内は穏やかだが、オホーツク海の波は荒々しい。対照的な顔がどちらも見えるのでおもしろい。でもあと4kmって言われても実感ないぞ。前へ行けばいいんだろ。行けば。



 あと2kmくらいのところで、やっと原生花園を抜け普通の道に出る。ようやくあと少しという実感がわいてきた。頑張ろう。



 あと1kmまっすぐ。多くの人が声をかけてくれる。途中で声をかけてくれた、他の大会で知り合った人もいた。そしてようやくゴールが見えてきた。今日の朝、真っ暗なときに見たゴール地点だ。今は非常にまぶしい。



 そしてようやくゴール。何度走ってもやはり感動的だ。タイムは9時間26分57秒。参加人数が多く、速いランナーも多いので、順位は全く分からない。途中でつぶれたため、満足いくタイムではないが、何とか3週間前のタイムよりはいいタイムで、9時間半は切れた。しかし2連続でつぶれた展開になってしまったので、ちょっと自信がなくなってしまいそうである。



 ちなみに、自分とはほとんど関係ないが日本代表は団体国別で優勝したそうだ。
 ゴール地点では、さくら道のときに知り合った人何人かと久しぶりに会った。さくら道では最後に励まし続けてくれていた60歳のおじさんにも会った。当然僕よりも速い。また、ゴール地点で地元の中高校生がボランティアでいろいろ働いてくれていたのだが、ワールドカップということで外人ランナーが多く、なんて話しかけていいか困っていた。なんと僕が英語を教えてあげてしまった。ちゃんと通じた、ありがとうございましたとあとで言ってくれて、ちょっとうれしかった。

 脚がぱんぱん、膝がちょっと痛いというのはあるが、早速この後観光に向かうのであった。今回の目的は半分マラソン、半分(以上?)観光である。

 この大会は、遠いし行きにくいので今年限りと思っていたが、こんなタイムで引き下がるわけにはいかない。また来年リベンジしに来なくてはと思った。当然観光もあわせて。

通過タイムと10kmごとのラップタイム

地点 通過タイム 10kmのラップ
10km 48分48秒 48分48秒
20km 1時間37分27秒 48分39秒
30km 2時間26分08秒 48分41秒
40km 3時間16分55秒 50分47秒
50km 4時間07分04秒 50分09秒
60km 5時間12分33秒 65分29秒
70km 6時間18分34秒 66分01秒
80km 7時間25分51秒 67分17秒
90km 8時間24分18秒 58分27秒
100km 9時間26分57秒 62分39秒

ぜひ完走記についての感想等もください。