2009さくら道国際ネイチャーラン
2009/4/18〜19 愛知県名古屋市〜岐阜県〜富山県〜石川県兼六園(250km)
天候 : 晴れ
記録 : 28時間29分 (3位)
大会HP : http://shirotori.gujo.to/sakurainr/HP/sakurainr1.htm
さくら道国際ネイチャーラン
主 旨
太平洋と日本海を結ぶ266kmの道を、桜のトンネルで結ぼうと決意した男がいた。
御母衣ダム工事で、水没する山寺の樹齢400年を数える桜の古木が移植され、見事に蘇ったその生命力に感動したからである。
その男は名古屋と金沢を往復するバスの車掌・故佐藤良二氏である。
彼はバスの走る道沿いに、桜の苗木を黙々と植え続けた。
乏しい蓄えを注いだ。少ない休暇を使った。
2000本も植えただろうか。男は病に倒れた。
志半ばで力尽き、逝った。47歳の短い生涯だった。
清貧という言葉が改めて見直される今、「人の喜ぶことをしたい」と病魔に侵された我が身を顧みず、無償の行為を貫いた佐藤氏の生き方は、貧しくとも豊かな心を持つ、人間の幸福な姿を問いかけてくれる。
佐藤氏が夢みた″さくらのトンネル″を、走り抜けるという形でその遺志を受け継ぐとともに、「太平洋と日本海を桜でつなぐ」という大事業の完成に少しでも寄与できればと考えて、今回『太平洋と日本海を桜でつなごう
2009さくら道国際ネイチャーラン』を開催する。
〜大会ホームページより
今年もさくら道がやってきた。今年で5回目の参加になるが、今回の大会に臨む気持ちはこれまでとは違う。
まず、去年完走出来なかったにもかかわらず選考してもらえたことがある。この大会は、前年にリタイアしてしまうと、翌年は選考順が後ろに回されてしまう。そのため、リタイアした翌年は参加できないことがほとんどなのだが、今年は補欠から繰り上がって走れることになった。なので、今年はしっかり完走したい。
また、この大会がこの形で行われるのは最後かもしれないということもある。大会から送られてきた資料に、そのような記載があった。それは仕方のないことではあるけど、それなら今回こそは完走しないと悔いが残ってしまいそうだ。
そして、それよりもっと強い想いが今回にはある。この大会を人生の節目にしようと思っている。この「さくら道」の話に感動したのが15年前。「さくら道ネイチャーラン」を初めて走ったのが5年前。それから自分の人生が変わったと言っても過言ではないと思う。正に、この「さくら道」に沿って人生を歩んできていると思う。そして今回・・・。自分の人生の一つの大きな節目にしようと思っている。
いろいろな想いがあるからなのか、いつも以上に緊張している気がする。でもそれは、いつものタイムや記録を気にするものではない。ただ「走りきりたい」ということだけだ。
練習は思った通りにこなせて順調に準備ができた。ただ、数日前からおなかの調子がよくない。前日になってもいまいち。いくつか不安要素もあるけど、ここまできたらいろいろ考えすぎずに走っていくしかない。まずは無事にスタート地点に立つことだ。
大会前日
午後3時から名古屋城近くのホテルで開会式があるので、それまでに余裕を持って名古屋入り。毎年お昼は名古屋めしで充電しています。今年は、近くのあんかけスパ名付け親のお店であんかけスパを初体験しました。おいしくて頑張る気がわいてきました。
そして早めに会場に着いて、久しぶりに会う知り合いたちとのおしゃべりを楽しみました。その中で、今年から新たに書き加えられていた注意事項があることを知りました。毎年同じと思い、油断してよく読んでいませんでした。夜中は反射たすきが必須だとか、大きなLエイドにしか荷物を預けられないだとか。反射たすきはたまたま買っていたので事なきを得ました。危ない、危ない。開会式に続いて、エイドに預ける荷物をお願いした後、ホテルでゆったり準備をしました。
今年のさくら道への想い
今年のさくら道ネイチャーランには特別な想いを持って臨みました。去年のこの大会で初めて会った彼女に、金沢兼六園のゴール地点にある佐藤桜の所でプロポーズしようと思いました。かっこよく決めるためにも、必ず完走したいと思いました。ちなみに、サプライズにしたかったので彼女に直接はもちろん、間接的に伝わる可能性のある人たちにも内緒にしていました。
今回のさくら道では、小道具としての半手作りの指輪を、前に彼女にもらった手作りのお守りと一緒にウエストポーチに忍ばせ、ウェアは桜がトレードマークであるラグビー日本代表のレプリカユニフォームで走ることにしました。
今年のさくら道は、タイムや順位よりも、そっちの方ばかりに気が向いていました。必ず完走する!
さくら道国際ネイチャーラン
スタート地点の名古屋城内には選手しか入れません。城の入り口前で選手以外の人たちの見送りを受けますが、まだ彼女はいませんでした。まだ朝5時半前と早いし、スタートには来てくれると言ってくれていたので、後で会えるだろうと特に気にせずスタート地点に向かいました。
スタート地点でいつものように記念写真やおしゃべりをしているうちに、あっという間にスタート時間が近づいてきました。朝6時に第1グループがスタートしてから、3分おきにウェーブスタートして行きます。自分のスタートは6時12分です。でもまだ緊張感はありません。初めから気合を入れていても、どうせこの先長いんだし。普段どおり、自然体で行きましょう。
いよいよ今年のさくら道ネイチャーランがスタートしました。今年のこの道は、去年想いも込めた復活への道。そして新しいスタートへの道・・・。必ず金沢の兼六園まで歩を進めるぞ!
そうは言っても、努めて淡々と走ることにします。今日はいい天気で昼間は暑くなりそうなので、日がくれる頃までは力を温存して、夜になってから頑張ろう。
名古屋場内を出ると、今年もたくさんの応援の方々が待ち受けてくれていました。彼女の姿を探しました。あ、いてくれました。「兼六園で待っててね」。さぁ、いよいよです。
名古屋から岐阜までは信号も多く、また他の組のスタートの人たちと前後したりして、なかなかペースをつかみづらいです。どうも前にランナーが見えると追いかけたくなってしまうのですが、今日はじっくりと自分のペースで走ることを意識します。踏み切りにつかまっても気にしません。楽に楽に、適当に。
この大会は、応援の人の併走や特定ランナーのサポートなどが禁止されていて、厳しい措置がとられることもあるので、知っている人たちみんながピリピリしている雰囲気が感じられます。彼女もとても気にしてくれていて、車で先回りしては走りすぎるのを待って一声かけてくれ、ということの繰り返しでした。でも、こう時々でも姿が見えると頑張る気になります。
大会スタッフの方々はピンクの上着を着ています。遠くからでも、このピンクが見えるとエイドステーションがあるのかとうれしくなります。約5kmおきにあるエイドステーションには、飲み物を始めお菓子や軽食などがあります。この長い道のりは、しっかり食べながらでないと走りきれません。まだ疲れていない、お腹が元気なうちにしっかり食べておきます。昨日の晩にしっかり食べたためか、朝あまりお腹がすいていなかったので朝ご飯を軽めにしていました。そのため、しばらく走ってようやくお腹がすいてきました。ただ一つ心配なことは、この一週間ほどお腹の調子がよくないことです。心配なので、冷たい水を飲み過ぎないように気をつけ、ヨーグルトを多めに食べる、というか飲んでました。もちろん大好きなあんぱんも、いくつかもらって走りながら少しずつ食べてました。
30km走ると岐阜を過ぎます。自分は最後から2番目の組のスタートなので、前を追っていると最終組の人たち以外の大抵の人たちにここに着くころには会っています。あと会ってないのは誰だろう?もう残りは想像できます。スピードのある人たちです。思い当たるのはあと3,4人です。
でも今日は、不思議と自分のペースや順位が気になりません。それ以上に、ただ完走したいという気持ちの方が強いのでしょう。こんな気分は初めてです。いい状態なのではないでしょうか。調子の方も始めと変わりありません。
岐阜を過ぎると、少しずつアップダウンが現れて景色も変わってきます。信号も少なくなるので、リズムは作りやすくなります。だからといって飛ばしてしまわないようには気をつけます。エイドではしっかり立ち止まって落ち着いて食べます。
毎年同じコースを走っていますが、初めて走ったときには線路があった廃線跡が少しずつ景色を変えていきます。駅はまだ残っています。他にも、この先ののどかなコース沿い、変わらないようでいて少しずつ景色が変わっています。
このコースを走るのは5回目です。あぁ、ここも覚えてる。あそこでは前にあんなことがあったなぁ。あそこのエイドにはこんなものがあったなぁ。と、いろいろ思い出します。40kmのエイドでは何度かういろうを食べました。今年も・・・、と思ったら桜餅があるじゃないですか。こっちをいただきます。そろそろ今年もこのさくら道を走っているという実感がわいてきました。
50kmのエイドでは、毎年そうめんをいただきます。そして僕のことを覚えていてくれていて、毎年楽しくお話しています。いつもまだまだ話していたくて出発したくない気持ちになるのですが、仕方なく先へ進みます。まだ先は長いのです。
55kmのエイドで韓国のランナーに追いつきました。これで3番目だそうです。自分のペースは去年とほぼ同じようですが、前の2人が速いようです。でも気にしません。夜になってからです。
この辺りからは長良川沿いを走るようになり、美しい景色が現れるようになります。でも、所々にある桜の木は葉桜です。今年は桜が早いみたいです。どこまで行けば満開の桜が見られるのでしょうか?
予想通り、いい天気で暑くなってきました。水の飲みすぎには気を付け、水はかけて体を冷やします。
日本の真ん真ん中、美並の道の駅にあるエイドで65kmです。彼女が待っていてくれていました。でも、気を使って距離を置いて見守っていてくれています。少しもどかしいですが、仕方ない。さすがにそろそろ少し疲れ始めてきました。これだけの距離を走ってこれば当たり前ですが。無理せず少しペースを抑えることにしました。エイドを出発すると、辺りに音楽が流れました。12時です。これからもうしばらく暑い時間が続くんだな。
郡上八幡です。この辺りは桜が咲いていた年もあったのになぁ、と思いながら、緑色の桜の葉っぱを横目に歩を進めました。
単線の長良川鉄道は、時々たった一両でやってきます。数少ないだけに、ちょっとうれしくなります。車窓から声をかけて応援してくれる子供達もいてうれしくなりました。
そして、ついにこのさくら道で始めて美しく花を咲かせている桜を見つけました。おぉ、素晴らしい。いよいよかな。
90kmを越えて、急に疲れてきました。あの桜を見たときはまだ全然元気だったのですが、まだ無理するところでもないし、がくっとペースを落として歩きも時々入るようになりました。でも、一応去年よりはまだマシです。もうあと10kmないくらいで第一チェックポイント(CP)の白鳥町なので、とりあえずそこまで行って一休みしよう。
何だか、エイドでの写真も疲れてますね。
ようやく106km、白鳥町のCPに到着しました。時間としてはまずまず。でもちょっと疲れています。ここに夜間装備の第一弾を預けていたので受け取りましたが、まだ15時過ぎで早かったので、体に巻きつけて持っていきます。休んでいる間にいろいろ食べて燃料を補給しておこうと思いましたが、暑さにやられたのかあまり食欲がありません。途中でも結構食べてきたし、ここは体を休めることにしました。
ここでも彼女はちょっと離れたところにいました。このくらいならいいだろうと思い、こっちに来てもらって一緒に写真を撮ってもらいました。それでしばらく話ができました。気力だけは少し戻ってきました。
さぁ、行くぞぉ!一旦2番目になっていた順番は3番目になりましたが、気力を振り絞って出発しました。とはいっても歩いています。走る気力が沸いてくるまで歩くつもりです。去年リタイアして同じ宿だった方々の応援グループからも声をかけてもらいましたが、歩いているので苦笑いです。どこまで行けば復活できるのか?それとも去年のようにこのままなのか・・・。先に行った彼女を待たせてしまうことも気になりました。でもどうしようもない。ここは我慢のときだ。
少しずつ上りが多くなってきた気がします。何とか一区間進み、次のエイドに到着しました。上りでなければかろうじてゆっくり走れるようにはなってきました。でも、エイドでは座り込んでしっかり休みます。立ち上がるのにはかなりの気力が必要です。でも先へ進まなければ・・・。脚がきついのは、特にふくらはぎと足の裏です。足の裏はジンジンします。背中や肩も凝っています。
しばらく行くと、長良川鉄道の終着駅がありました。去年の夏休みには、ここまで電車に乗ってきて、ここから白川郷まで自転車でこのコースをたどりました。もちろんあの時とは景色が違います。そして、いよいよ桜が咲き始めました。うれしくなってきますが、上りもきつくなってきたので大変です。半分以上は歩いています。
ひるがの高原へ上る途中のエイドでは、今年も長居してお世話になりました。久しぶりに食べ物がたくさんあったので、復活するためにしっかり食べ、しばらく横になって消化を促しました。豚汁を始め、サンドイッチ、ヨーグルト、プリン、おにぎり・・・。飛騨ヨーグルトもプリンも濃厚でとてもおいしかった。しばらく休んだあと、また覚悟を決めて出発しました。行ってきます。
少しずつ日が傾き始め、徐々に冷えてきました。次のエイドには夜間装備の第二弾が預けてあります。そこで今持っているものも着なおすことにしよう。次のエイド、次のエイド。この辺りからは、そうやって気持ちをつないでいきます。
ひるがの高原の手前、消防団のエイドに何とか明るいうちに到着し、夜間装備に着替えます。上着は3枚重ね+アームウォーマー、下はロングタイツを履きました。これでも、ずっと歩いていると寒くなってきそうです。体を冷やさないためにもたまには走らないと。次のエイドは峠の頂上。おまけに、スタッフのマッサージの人も来てくれるということなので、待たせては申し訳ないし、ちょっと頑張るか。
ようやく上ってきました。そして、そこにはマッサージが待ってくれていました。早速ありがたく・・・悲鳴をあげます。もう全身です。おぉ、楽になった気がします。ここのエイドでも自分のことをよく覚えてくれていて話が弾んでしまったので、なかなか出発しにくくなってしまいましたが、そうは言っていられません。いよいよ、手に持ったライトを点灯して夜の道へ飛び出します。
多少元気になったとは言っても、劇的に復活するわけではありません。それでも、上りが終わって下り始めるということもあって、そこそこのペースでは走れるようになりました。でもまだどこまで走っていられるかは不安な状態です。
次のエイドでは、去年焼肉をご馳走になりました。今年も、エイドの後ろで宴会をしている人たちに混ぜてもらって焼肉をご馳走になりました。うーん、力が湧いてくる気がします。
夜の国道は、明かりが少なくて周りがよく分かりません。今年は東海北陸自動車道が開通したためでしょうが、通る車も少なくて少し寂しいです。夏に自転車で通ったときにみた景色を思い出しながら走りました。
そして143kmの荘川桜。去年リタイアしたところです。今年も何とか着いた〜、と思ったら、荘川桜がきれいにライトアップされていました。この巨大な桜の迫力に圧倒されました。感激。
このエイドでももう一枚上着を受け取り、去年走れなかったコースへ出て行きました。エイドごとに長いこと止まっているため、後ろから来るランナーに少しずつ抜かされていきました。でもいいです。気になりません。
エイドで長いこと止まりはするものの、その間はそれなりに走れるようになってきました。さっきまでたくさん食べた物が、ようやくエネルギーになってきたのでしょうか。
そして160km付近の白川郷。この世界遺産の集落は、去年の夏に初めて明るいときに全景を見ました。全く違った雰囲気でした。毎年通るこの時間帯はもちろん静まり返っていて、人の気配がしません。それでも、この合掌造りの存在感でいい雰囲気です。
次の道の駅のエイドまで、後ろから来た仲良くしてもらっているランナーと少しお話しながら併走しました。とてもい気持ちでした。この辺りでは再び桜が満開。この辺りから、エイドごとに彼女が先回りして待ってくれているようになってきました。エイドでも話し相手になってくれます。何だか、こんな時間がずっと続いてくれるような気がしてきました。まるで夢の中にいるようです。
走りの方は安定してきました。あまり脚を止めてしまうと脚が固まってしまいそうなので、少しずつでも走ろうと思ったこともありましたが。エイドを出ると彼女の車に抜かれ、エイドに着くと彼女の姿を探しました。その繰り返し。あれ?あのエイドの人、なんか見覚えが・・・。あらら。
待ちに待ったカレーもいただきました。このエイドにはあると思っていました。「何にしますか?カレー?」「ですよねぇ。ありますよねぇ。」2杯いただきました。ルーだけでもいただきました。ちょっと食べ過ぎてしばらく走れなくなりました。でも力は湧いてきました。
走っている間は眠くありません。そしてもうすぐ200km。その前に大きな壁があります。五箇山越えです。ここはまず走れないので、この坂の下まで頑張って、上り坂はずっと歩くことにします。坂の前の五箇山タクシーのエイドで腹ごしらえをした後、一歩一歩確実に峠の頂上に向かって歩きます。辺りは徐々に明るくなり始めました。空は青みがかってきました。時刻は5時前です。
ようやく上り終えた頃には、すっかり明るくなってきました。さぁ、これでとんでもないのはおしまいだ。ぼちぼちと走っていくぞ。・・・おいしそうなパウンドケーキがあったので一欠けもらいましたが、ちょっと大きかったこともあってしばらくもたれていました。おかげで、次のエイドにあったおいしそうなチーズケーキはパス・・・。でも、あと42km。フルマラソン1回だけだ。もう少し。ん??それは長いのか?短いのか?完全に距離感覚が麻痺してます。
砺波平野を下に見ながら一気に下っていきます。ちょっと脚にこたえる。ここを下りきったところはCP4。初めて参加したときに、まだ芯が凍ったままのたこ焼きを食べたエイドだ。今年もたこ焼きが食べたくなってきたぞ。
212km地点、大鋸屋のエイドに到着。「たこ焼きありますか?」あったー!今年はちゃんと温まったやつをいただきました。うーん、おいしい。暖かくなってきたので、着ていたものを少し預けました。ここからは景色が変わるし、気持ちを入れ替えて、行くぞー。
いつ歩いてしまうかと不安に思いながら走り続けているが、この平坦な道ならば走っていられる。これまでになく、このゆったりとしたペースに飽きることもなく、無心に、いやいろいろな思いを駆け巡らせながら淡々と走っていられる。そうすぐそのときがやってくる。少しずつゴールの兼六園が意識でき始めてきた。
福光のエイドでは、奥さんの応援に夜行バスでやってきたチームメイトにも会えた。さくら道、スパルタスロンと何度も一緒に走り、今年も1番ゼッケンで走れるはずだっただろうが、今回は目標の大会が違ったので少し残念だ。ここでまた上着を少し脱いで預けて、身軽な昼間の格好になった。あと30km。
その先、ちょっとアップダウンが繰り返されるが、上りは無理せずきつければ歩く。でも、それほど歩きは入らない。小島プレスの実業団選手たちがやってくれているエイドでもたこ焼きをもらった。今度は冷凍じゃなくて手作り?でおいしかった。
金沢市街に向けて坂を下っていると、景色は全然違うものの、スパルタスロンの終盤のスパルタに向けて下っていく坂道を思い出します。もう少し、というのが同じ感覚なのでしょうか。
だんだん家が増えてきました。坂道も終わりました。いよいよあと10kmを切りました。最後のエイドに到着しました。この先の交差点を左に折れると、あとは一直線。あと7kmです。最後のエイドでブログの更新をしようとメールを打ちました。スイカを食べながら。兼六園のゴールでプロポーズします、と。しかし、なんどやっても送信失敗です。後日、この時間帯にSoftbankの通信障害が発生していたとのニュースを見つけました。このせいだったんでしょうか?もちろんこのときはそんなことは知りません。「不吉な・・・」もしかしたら「やめとけ」ということなのか?スタッフの人に「何してるの?」と覗き込まれました。「メールです。」
仕方ないのでブログ更新はあきらめ、最後の7kmへ出発しました。「兼六園で待っててね」
最後の7kmがなんと長く、そして短かったことか。これだけ走ってきたので、早くゴールにたどり着きたい。でも、プロポーズを決めていい返事がもらえるか・・・。そして何て言おう・・・。本当にドキドキでした。この間にセリフは考えました。もう、これまでの道のりを振り返るという感覚ではありませんでした。できることならこの道がずっとづづいてくれればいいのに・・・。できることなら先延ばしにしたいけど、これはもう決めたことなんだ。
そのときは刻一刻と、そして一歩一歩近づいてきます。ついに兼六園が見えてきました。交差点の信号につかまりました。「まだ変わらなくていいよ」。でも青になったら横断歩道を渡ります。知り合いの顔も見えます。兼六園の坂の下まで迎えに来てくれまたようです。早くいこうと促されますが、とりあえず上り坂はきついので歩きます。そして最後の直線。数百メートル。佐藤桜はすぐそこです。
最後の直線を走ると、ゴールの佐藤桜の前にはたくさんの人たちが出迎えてくれていました。とりあえず自分のカメラを預け、佐藤桜にタッチするとゴールとなります。彼女も呼びました。いよいよそのときがきました。もう後戻りはできません。
まずは、ゴール。そして、カメラを返してくれようとしたところで、ちょっと待って。
7kmの間に考えた臭いセリフ、その後にストレートに。始め、きょとんとしてましたが、ようやく分かってくれたようで、うれしい返事をもらえました。あぁ、よかった。ほっとしましたが、とってもドキドキしました。
ゴール後、しばらくは興奮状態だったためかそれほど疲労は感じませんでした。最後も走れていたからということもあったと思いますが。ちなみに、ゴールタイムは28時間29分で3番目の到着でした。まずまずです。
しばらくした後金沢で元気だったら和菓子を食べようと約束していたし、園内でお茶とお団子を食べにいきました。外を歩きまわる程の元気はありませんでした。兼六だんごと桜だんごでした。
時間が経つと徐々に疲れが出てきたので、お風呂に連れて行ってもらって休むことにしました。この後は白鳥まで大会車両で送ってもらうことになるので、しばらくまたお別れです。
また一人になっていつも通りの時間が流れ始めましたが、何だか不思議な気分です。
(つづく・・・はず)
記録
・チェックポイント(CP)、エイド通過時刻・タイム
エイド | 場所 | 距離 | 到着時刻 | 経過時間 |
---|---|---|---|---|
スタート | 名古屋城 | 0km | 6:12 | |
No.6 | 岐阜市 | 30.0km | 8:50 | 2時間48分 |
42.195km | 約3時間30分 | |||
No.13 | 道の駅「美並」 | 67.2km | 11:56 | 5時間44分 |
No.17 | 郡上八幡 | 85.3km | 13:29 | 7時間17分 |
100km | 約8時間40分 | |||
No.21(CP1) | 白鳥町ふれあい広場 | 106.9km | 15:28 | 9時間16分 |
No.25 | ひるがの高原 | 128.4km | 18:47 | 12時間35分 |
No.28(CP2) | 荘川桜 | 143.0km | 20:43 | 14時間31分 |
No.34(CP3) | 道の駅「白川郷」 | 172.6km | 1:09 | 18時間57分 |
No.42(CP4) | 南砺市 | 212.0km | 6:26 | 24時間14分 |
No.50(ゴール) | 兼六園・佐藤桜 | 250.0km | 10:41 | 28時間29分 |