第23回 サロマ湖100kmウルトラマラソン

2008/6/22 天気:曇り     北海道

記録: 7時間27分17秒  登録男子の部10位

 国内最大の100kmウルトラマラソンであるサロマ湖の大会。世界選手権の選考大会にもなっている。今年の世界選手権はイタリアだそうで、ぜひ今年も行きたい。ということは、頑張らなくてはならない。なのに最近は調子がいまいちで、結果は全く期待できないけど、とりあえず頑張れるだけ頑張れることにして今年もこの大会に挑戦した。

 今年は、大会スポンサーになっている日清ファルマのお手伝いをするため、前日の午後には受け付け会場のブースにいることになっていた。ところが、北海道についてみると予想以上に寒い。受付会場では雨も降っていた。暖かい服装を持ってきていなかったので、ビニール袋に包まり震えそうになりながら対応をしていた。それでも今年は、サロマ湖4回目にして初めてちゃんと宿に泊まった。これまでは全てレンタカー暮らしだったので、今年はちゃんと体を休めて準備ができた。
 それにしても今年の大会は不安たっぷりの中で迎えることになった。最近は大会でもリタイアが多く、普段から走っていても脚が動かずキレがない。筋肉が削げ落ちているような気がするし、慢性疲労が取りきれていない感じがする。おまけに、去年はいい結果が出ているので周りの目も気になる。調子がよければそれはプラス材料になりそうなものだけど、このコンディションでは逆にマイナス材料だ。こんな気持ちで走るのは初めて。とにかくどんな結果になっても納得するしかない。結果はもうすぐ出るのだ。

 大会当日。朝はまだ霧雨混じりで、これまで参加したサロマ湖の大会の中では最も寒い。アームウォーマーと手袋を持ってきていてよかった。今回もアップはせずにスタート地点に並んだ。いろいろな知り合いランナーと話をしていたらストレッチをするのも忘れた。そしていつの間にかスタート時刻の朝5時になった。

 

 わずかに小雨が舞う中、いよいよスタート。今年も前半抑え目だけど、かなりの不安の中でのスタート。あっという間にたくさんのランナーがずっと前へ行ってしまった。さすがに不安が大きくなってきたのでちょっと頑張り始めたけど、始めの1kmが5分近くかかっていた。さすがに遅い。とりあえず、キロ4分30秒くらいでは走って行きたい。結局、ちょっと頑張って追い上げることにした。
 5kmくらい走るとスタート地点に戻ってきた。たくさんの声援に送られて、いよいよ広大な大地へ駆け出していく。何とか最低ラインのペースに落ち着くことができたけど、その余裕度は少ない。特に腰の辺りが重い感じがして、明らかに体のキレが悪い。これでは記録は期待できないけど、とりあえず少なくともこのペースでは行けるところまで行くしかない。始めからあきらめてしまうわけにはいかない。

 

 まずは半島の先っぽ、竜宮台の折り返しへ向かう。始めの10kmは何とか45分くらいで通過。ちょっとほっとした。そして、いつものように太鼓の音が聞こえてくる頃にトップ集団とすれ違った。さすがに速い。あっという間にこんなに差をつけられてしまうのか。そして、続々と知った顔が続いてくる。ここで声をかけられるのが楽しい。何となくみんなの調子も分かる気がするし。

 

 そして折り返し。実力のあるランナー達からは結構離された。でも今日はマイペース。このままイーブンペースでいければ去年と同じくらい。それほど悪くないタイムではゴールできる。あくまでもイーブンペースでいければ、ではあるけど。何といっても今日はこのペースの割には余裕が少ないので自信はない。
 折り返してからの方が、たくさんのランナーとすれ違うことになる。たくさんのランナーの中から知り合いを探すのは大変だけど、どうしても目線は対向車線をきょろきょろ。どうしても、しばらくずっと知り合いを探してしまう。向こうからも結構声をかけてもらえてうれしかった。
 ランナーの波も途絶え、25km過ぎからはサロマ湖をぐるりと回りに行く。今年は単独走。周りにランナーの姿も少なく、マイペースで走るのにはちょうどいいけど、少し寂しい。自分の時計を参考にペースを作っているつもりだけど、少しペースが上がってきてしまっているようだ。まだペースを上げるのには早い。でも自分の感覚を抑えたりはしたくない。10km42〜43分くらい。このくらいなら許容範囲だろうか。
 30km付近で、ようやく先行していたチームメイトに追いついた。スパルタスロンやさくら道でも後ろから追い上げてくるので、そんなに速い印象がない人なのに、今日は気合が入っているみたい。40km地点では、今回も上位に行くだろうと思っていたチームメイトに追いついてしまった。こっちはびっくり。早くも疲れているみたいだった。何にしても、チームメイトや知り合と声を掛け合えると励みになる。

 

 30kmくらいから、ずっと一人のランナーにぴたりとくっつかれた。ちょっと走りにくい。初めてのウルトラらしい。こっちがトイレによると向こうはエイドに止まる。こっちがエイドを走りぬけると向こうも走りぬける。周りに全然ランナーが見えないくらいなので、寂しくはないにしてもこれはちょっと気になる。どうしてもペースが吊り上げられてしまう気がする。結局60km過ぎまで近くにいた。
 42.195km地点。国道から外れて湖沿いの景色のいい道路。ちょっと脚が疲れ始めてきたし、今年も42.195kmのプレートの前で記念写真を撮ってもらおうと思っていたのに、すぐ横で大きなカメラがが撮影中。これじゃぁ写真が撮りにくい。もうちょっと考えてほしいものだ。仕方がないのでそのままパス。

 

 一応対岸は見えるくらいだけど、今年は曇っていて天気はいまいち。景色はあまり楽しめない。もっとも、もう見慣れた景色ではあるし、今年はあまり余裕がないのでちょうどいいことはいい。あまり周りは気にせずに前へ進む。ペースはそろそろ少し落ち始めたか。でもこれがちょうど設定ペースくらい。
 50km通過。去年と同じくらいだけど、今年の方がちょっときつい。この辺りは細かなアップダウンもあり、ちょっときつい時間帯だった。
 今回は、久しぶりに定期的にWGH Proを摂った。オランダでのW杯のときのように、疲労を感じ始めたタイミングでウエストポーチから取り出して給水と一緒に摂取した。前日に、これは即効性があるとも耳にしたのでそれに期待したのだけど、飲むと思ったより早くに目が覚める気がして走りが回復した気がした。W杯のときよりも効果を実感した。もっとも、エイドのAmino Vitalのゼリーでも同じような効果を実感したけど。今回はサプリメントにとてもお世話になった気がした。あとはバナナとあんぱん。今回はこれらをよく食べた。これらもしっかりエネルギーになってくれた。補給はかなり上手くいった気がした。
 50kmを過ぎると、再びサロマ湖が見えてきた。このサロマ湖沿いの道は景色が良くて好きだ。でも今年は曇り空なのが残念。確かに走りやすくはあるけれど。

 

 60km過ぎのキムアネップ岬。ちょっと寂しい道で、向かい風も少し強い。どうもいつもこの辺りから脚がきつくなってくる。でも今年は去年よりは多少余裕があるかな。一度落ちかけたペースが何とか保てている。そして木々のトンネルの中へ。日差しがあるとひとときのオアシスのようになるけど、今年はずっと曇っているのであまり何も思わない。ただ、目の前を横切ったキツネ?にはびっくりした。カメラは間に合わなかった。

 

 もうしばらくずっと、後ろから追い抜かれることはないし、前にも誰もランナーは見えない。でも、そろそろポツリポツリとペースダウンしたランナーが見えるようになって来た。ここでは何と、一緒にオランダに行った実力あるランナーに追いついてしまった。びっくりした。この先しばらくは、目の前はるか遠くにランナーが見えたときに、あれは誰だろうと思いながら追いかけるのが楽しかった。実力あるランナーが思いがけず落ちてくることがあるのだ。
 対岸には、これから向かうワッカ原生花園と思われる半島が見える。でも、ずっとぐるりと回っていかなくてはいけない。あんなに遠くまで行くのか。まだ先は長い。
 74km付近の大きなエイドではおしるこがある。前々から予告の看板が立っていて、楽しみにしながらエイドに到着。「おしるこ、おしるこ」と行って駆け込んだけど、おしるこだけは準備がまだで置いていない。毎年気持ち悪くて食べれなかったけど今年は食べられそうなので楽しみにしていたのに、調子がよくて足を止めたくなかったので、仕方なくパスした。
 80kmのワッカの入り口まではもう少し。少し脚に来始めたけど、ペースはまだキープ。何と、同じチームメイトの大先輩もパス。

 

 80kmでワッカ原生花園に突入。順位は10位と聞かされた。ここまで来たら、何とかもう一つは上げたい。でも前は結構離れていてまだけっこう元気だとのこと。ちょっとがっかりしたけど、気持ちペースアップして前を追った。まだ抑えて折り返し後勝負にしようか迷ったけど、どうしても我慢ができなかった。はやる気持ちを抑えきれなかった。
 右は荒波のオホーツク海。左は静かなサロマ湖内。そして前にずっと伸びる一本道。それも全くの平坦ではない。少し頑張って行けども行けども誰も見えてこない。何度も気持ちが切れかかる。

 

 ようやく目の前にちらっと黄色いウェが見えた気がした。もしかして・・・。ちょうどそのランナーの応援の人がいたので、そのもしかしてだということが分かった。去年のスパルタスロンにも行ったよく知るランナー。調子がいいと思っていたので、こんなところで会うなんて。うれしいよりも少し残念な気持ちのほうが大きかった。
 そしてワッカの片道半分以上が過ぎ、先頭ランナーが折り返してきた。ここから自分より前にいるランナーの数を数える。やっぱり登録の部の9番目だ。そして90km手前で折り返し。
 行きは追い風のようだったので快調に走れていた。ということは・・・、ということで覚悟はしていた。やっぱり向かい風だ。それも結構きつい。90kmを通過してあと10km。
 ところが、がくっと脚が動かなくなってきた。ハムストリングスだ。近頃は太ももが先に動かなくなることが多かったけど、今回はハムストリングスからきた。1kmごとに距離表示があるので、何とかキロ5分キープを目指す。95kmまでは何とかキロ5分を保てた。すれ違うランナー達の元気な足取りを見るとあせる。最後の手段とばかりにWGH Proに頼ろうとウエストポーチを開けた。ところが、もう残っていなかった・・・。3つ持っていたと思ったけど、そんなに飲んだんだっけ。
 残り5kmからは歩く時間帯が多くなった。最後のちょっとした上りでは歩いてでも上るのが困難を極めた。脚がカクカクいっている。筋肉が疲労しきっていて力が出ない。はいつくばって止まってしまいそうだった。でもまだこの位置にいる限り止まるわけにはいかない。久しぶりに気力を振り絞った。すると、何とか脚が動き始めた。「お願い。最後まで脚、動いて!」

 ふらふらになりながらワッカを出るとあと2km。もう大丈夫かと後ろを振り返ると・・・。何とさっきの黄色いウェアが走っているのが見えた。「げっ!」もうだめだ。脚が動かない。少しずつ近づいてくる姿を迎えるしかできなかった。自分の情けなさに悔しい気持ち半分、でも復活してきたその姿にうれしく思う気持ち半分。とても頑張って練習している姿を知っているからだろう。これが他の人だったら、きっと悔しい気持ちだけだったと思う。もう抵抗する気は起こらなかった。後ろ姿を見送りながら、その後ろを気にしながら確実に一歩一歩ゴールを目指す。

 

 ようやくゴール地点にたどり着いた。最後の最後でペース配分を間違えた。これだけ苦しんだのは久しぶりな気がする。でもその分感動は大きい。何とか去年よりは少しだけ早くゴールできた。よかった。

 

 スタート前はあれだけ不安があったので、このタイムで無事にゴールできたことは、もう大満足、のはずだった。最後の最後にかわされて10位になったこと意外は。でもそれは小さなこと。とりあえずほっとしています。これからはもう一度体作りを見直して、更なる目標に向かって行きたいと思った。でもとりあえずは休養ですね。あー、よかった。

記録・10kmごとのラップタイム

地点 通過タイム ラップタイム
0km
5km 22分37秒 22分37秒
10km 45分02秒 22分25秒
15km 1時間06分49秒 21分47秒
20km 1時間27分51秒 21分02秒
25km 1時間49分11秒 21分20秒
30km 2時間09分47秒 20分36秒
35km 2時間31分00秒 21分13秒
40km 2時間52分19秒 21分19秒
(42.195km) 3時間01分34秒
45km 3時間12分44秒 20分25秒
50km 3時間34分38秒 21分54秒
55km 3時間56分16秒 21分38秒
60km 4時間19分46秒 23分30秒
65km 4時間42分19秒 22分33秒
70km 5時間04分14秒 21分55秒
75km 5時間26分02秒 21分48秒
80km 5時間48分05秒 22分03秒
85km 6時間09分55秒 21分50秒
90km 6時間31分38秒 21分43秒
95km 6時間56分39秒 25分01秒
100km 7時間27分17秒 30分38秒
7時間27分17秒