2008 えびす・だいこく100キロマラソン

2008/5/25 天気:曇り時々雨     島根県

記録: 7時間29分47秒 (2位)  

 去年、100kmでは始めて優勝したこの大会。島根半島の東端から西に向かい、前半は北側のリアス式海岸を、後半は南側の宍道湖沿いを行き、付け根にある出雲大社を目指すという、正に自分の足で旅行しているような僕の好きなタイプの大会です。
 松枝や出雲への観光を兼ねて、今年もぜひ参加したくて申し込んではいたけど、今年はどうも肝心の走る方の調子がいまいち。さくら道や前週の野辺山ではリタイアと、思うように走れない大会が続いている。そんな中で今年のこの大会は、この後の取り組み方の道しるべとなるような、ある意味真価の問われる大会と思っていた。


 大会前日、松江の天気は雨。電車を乗り継いで昼過ぎに松江に到着してから少し観光。明日には天気は回復するとのことなので、特に何も気にすることなく準備を整えた。
 当日は朝3時起床。松江市役所から、スタート地点の島根半島東端にある美保関まで送迎バスが出ている。4時にバスが出発して、50分ほど寝ているうちにスタート地点に到着した。空は明るくなり始めていた。
 受付では大会事務局の方から声をかけられた。去年優勝したことで覚えてくれていたようだった。他にも覚えてくれているスタッフの方がいた。これはおかしな走りはできないぞ、と思った。
 更衣室では先週の野辺山100kmのチャンピョンに会った。あの人も全国各地、連戦で走りに行っているので、いろんな大会でお会いする。この大会は初めてだそうだが、こんなところにも出てきたか、と思った。しばらく話をしながら準備をしていると、あっという間にスタート時間となった。神社の前がスタート地点。アットホームな感じの大会だ。

 

 朝5時半にスタート。天気は曇り。でも徐々に天気は回復していくだろうと思われた。スタート直後に3,4人が飛び出す。予想通り、あの人もいいペースで走りだした。僕は今日は自重気味。今日は完走することが最大にして絶対の目標。
 始めの5kmくらいは湾沿いの平坦な道で走りのリズムをつかむ。そして境港の町が見えてきた頃に方向を変え、峠を越えて北側の日本海側に向かうことになる。早速細かいけど急なアップダウンの繰り返しが始まる。

 

 半島の北側日本海沿いはリアス式のような入り組んだ海岸線で、切り立っているのでアップダウンが多く、しかも結構急なアップダウンが繰り返される。全体的な標高差には現れないため、油断していると後半で大変なめにあうことになる。
 峠を越えると小さな猟師町が現れ、それがしばらく繰り返される。のどかでとてもいい雰囲気だ。こんな雰囲気は好きである。

 

 天気は一向によくならない。それどころか、むしろ悪くなっている。次第に霧雨が強くなってきて、髪の毛は完全に濡れてしまうほどになってしまった。これではあまりデジカメをウエストポーチから取り出したくない。せっかくの海岸線の美しい景色も、もやがかかってしまってあまりよく見ることが出来ない。残念だ。

 

 25kmくらい走ってきた。とりあえずここまでは順調に走れているみたいで、ペースは抑え目ながら去年よりもいいペースのようだ。少し疲れてきたので、まずエイドで写真を撮ってもらって、横にあるきれいなトイレに行こうとした。そこで事件は起こった。
 霧雨で濡れたトイレ前のタイルの上ですってんころりん、豪快に転んで右腕と右臀部を強打してしまった。手に持っていたデジカメも飛んでしまったけど、こいつは生きているようだ。でも自分は数秒間動きが止まって立ち上がれなかった。マラソンを始めてから初めて転んだ。エイドの人もただ見ているだけで声をかけてもくれない。突然の出来事に驚いているようだ。何とか立ち上がってトイレへ。うーん、一気に気持ちが切れてしまいそうだぞ。走りきれなかったときの言い訳にしよう、とも思ってしまった。でも何とか走り始めた。

 

 相変わらずの霧雨混じり。チェリーロードという名の峠越え道に入った。これは直訳すると「さくら道」??うーん。
 確かに桜と思われる木が道路沿いに続いている。もう今は完全に緑の葉をつけているけど、きっと春にはきれいな道になっているんだろうな。上りはよいよい、下りはちょっと気持ちよく走っていった。

 

 再び海岸沿いへ。相変わらず霧は晴れない。せっかくいい景色のはずなのに。走る方は少しずつ軽くなってきた気がする。でもあまり期待はしないぞ。

 

 始めに前にいっていたランナーに相次いで追いつき始めた。残りはあと一人になったが、しばらく一人のランナーと話しながら併走することができた。話が弾んで気持ちよく走っているとペースのことなど頭の中から飛んでしまい、結構いいペースまで上がってしまっていたと思う。気分がいいまま50kmに到着。これで何とか先週の距離は越えられそうだ。まずはひと安心。

 

 まだもうしばらくアップダウンは続く。去年はこの辺りからへばってきていたけど、今年はまだ余力がある。通過タイムもいい。これは去年より調子がいいのか??そんな気持ちがこのあとのちょっとしたミスを招いたのかもしれない。
 今年は、がけ崩れで去年とは少しコースが変更になっていた。去年より早めに半島を南方向に横切り、宍道湖沿いに出るようになる。宍道湖沿いまで出ればようやくアップダウンはほぼ終わる。走行位置は2番手まで上がっていた。しかも、声をかけられるたびにトップとの差がどんどん詰まっているようだった。調子悪いのかな?あのタフなコースのあとの連戦だし。今日は順位や人の走りは気にせず自分の走り、と思っているので、特に意識せずマイペースを心がけた。

 

 ようやく霧雨もやみ、天気がよくなり始めた。あたりは明るくなってきて、少しじめじめと暖かくもなり始めた。
 そして長い直線。前の方に白い人影が。おぉ、ついにトップが見えてきた。でも一気に差を詰めようとはせず、少しずつで十分だ。まだ60km過ぎ。無理をするような位置ではない。
 65km付近で宍道湖沿いに出た。突然後ろから追いついてびっくりさせようと思っていたのに、後ろを振り返られてしまった。手を振ってくれたのでこっちも振り返す。あれ?びっくりしてないのか?ちょっと拍子抜け。しばらくいくとついに追いついた。でも、あっちもいいペースで走っていて決してペースが落ちているわけじゃないと言う。僕のペースが速いのかな?でもそんなつもりも感覚もないので、ここまでのペースを変えずに前を行くことにした。このままだと最後まで持たないかもしれないとは思っていたけど、一度上がったペースを落とすのはどうも苦手なようだ。

 

 大きな大きな宍道湖。良くなってきたとはいっても天気はいまいち。向こう岸はもやがかかって見えない。少し強い向かい風を受けながらしばらく宍道湖沿いをいく。
 距離表示がちょっとおかしくなっていたようで、突然70kmの表示が現れた。あれ?本当か?本当ならかなりいいペースになっているぞ。キロ4分を切るくらい?こんなところでそんなペースで走る必要は全くないぞ。ちゃんと最後まで走りきれるのか?

 

 そして一畑電鉄を何度もまたぎながら、待っていました73kmのエイド。宍道湖名物のしじみ汁。「今年も楽しみにしてました〜。」でもまだ準備ができていないみたい。「そうですか、ならいいです。また来年〜。」楽しみにしていただけに、とても残念でした。あまり早く来すぎてはいけないのですね。この先のエイドもほとんど準備中で取ることができなかった。仕方がないです。去年もそんな感じだったけど、その去年よりもいいペースで走っているのだし。

 

 そして宍道湖沿いから内陸へ入っていく。1時間に1本しか走らない一畑電鉄の踏切にもしっかり引っかかった。そろそろペースダウンの予感がしてきたのでいい休憩になった。徐々に30分遅れでスタートしたリレーの部の人たちにも抜かれ始めてきた。みんな声をかけてくれるのでうれしいけど、走りのほうは徐々に失速気味。
 85kmくらいまでは何とかペースを保って走ってこれた。でもここからがくっとペースダウン。ここ最近の調子を考えると、ここまでこれだけのペースで走ってこれたことは大満足だし、ここでそんなに無理することはない。当面の目標はもう少しあるから。そう思っていると走る気力は急速に減っていく。天気も良くなってきて暑くなり始めてきた。あとはこのまま、去年より早くゴールにたどり着ければいいかな。まだ時間はたっぷりある。少し後ろが気になるけど、かなり歩く時間が長くなってきた。

 

 90km付近のエイド。もう来た。再び2番手に転落。やっぱりそのままのペースを維持しているようで、調子が悪かったわけではなかったとのこと。僕のペースが速すぎたんだ。もう追いかける気力はなく、あと10kmの道のりを一歩一歩進むのみだ。
 一度天気が良くなってきたのに、再び辺りは霧の中になってきた。なんて変な天気なんだ。あと数kmでゴールなのに、このわずかな距離がとても長く感じられる。少しでも走る時間を長くできるように、あまり長い時間歩いてしまわないように、とまだ気持ちを切らさず一歩一歩。島根ワイナリーを通り過ぎるとあと3km。エイドでもぶどうがたくさん出てきたし、この辺りではぶどうが取れるみたいだ。そしてようやく出雲大社が見えてきた。あぁ、やっと着いたか。

 

 ゴールまであと数百m。最後だけは走り通せた。かろうじて7時間半を切れるか?最後の力を振り絞ってゴールテープへ。あぁ、走りきれた。よかった。

 

 とりあえず走りきれてほっとしました。しかも予想以上のタイムで。これで何とか先に進むことができそうです。

記録・10kmごとのラップタイム

地点 通過タイム ラップタイム
0km
10km 41分19秒 41分19秒
20km 1時間26分30秒 45分11秒
30km 2時間13分11秒 46分41秒
40km 2時間54分22秒 41分11秒
50km 3時間32分55秒 38分33秒
60km (40分28秒)
70km 4時間53分51秒 (40分28秒)
80km 5時間39分58秒 46分07秒
90km 6時間29分54秒 49分56秒
100km 7時間29分47秒 59分53秒
7時間29分47秒 2位