2007/9/16 天気:曇り時々晴れ 京都府
記録: 8時間11分53秒 3位
先週はオランダで100kmワールドカップを走って自己ベストを更新した。そして2週間後にはスパルタスロンを控える。それでもこの大会は走りたい。この大会は、自分が始めてウルトラマラソンを走った大会で思い入れがあるし、景色もいいし、とても好きな大会だ。毎年出ているので知り合いもたくさんでき、みんなに会いに行くのも楽しみ。前日は受付会場でたくさんの人たちと話しをすることができて楽しかった。宿の食事も豪華な海の幸で、これも楽しみにしていてよかった。
大会当日。朝2時起床。天気が少し心配だったけど、雨は降っていないようだ。少し蒸し暑い気がした。この時間からこれでは、今日は暑くなって大変になるかもしれない。
スタートは朝4時半。スタート地点には3時過ぎに送ってもらったので、しばらくのんびりスタート時間を待った。
そしていよいよスタート。真っ暗な中、まずは海岸沿いのアップダウンの道を行くが、足元が全く見えない。今日は無理しないで走るように心がけていたので、飛ばし過ぎないように気をつけて走りだした。
峠を一つ越えると10kmを迎える。始めの10kmは45分01秒。設定通りのラップ。上ったり下ったりしていたので、速いのか遅いのかよく分からなかったけど、とりあえずよしとする。ようやく空が明るくなり始めてきた。
その後しばらくは比較的平坦。3番目になっていたけど、併走しているうちにペースが上がっていってしまっている気がした。エイドで上手く離れて自分のペースを取り戻すようにした。
20km通過。この10kmのラップは44分02秒。やっぱりちょっと上がっている。でもこのくらいなら無理しているペースではないだろう…と思っていた。この先、久美浜湾をぐるっと回ってくるコースだけど、ここの景色がまたきれい。水面がとても高くて穏やかで、不思議な感じがする。
30km付近。道端で声をかけてくれた人が、先頭との差が3分半あることを教えてくれた。多分今の位置は2番目。先頭は結構飛ばしているんだなぁ。でも今日は順位は関係ないからマイペースだ。ちょっとペースが上がり気味なので抑えないといけないかもしれない。30km通過のこのラップは41分49秒。やっぱり。
いい天気だ。今日はこれから暑くなりそうだ。
32km過ぎのエイドステーション。あれ?頭に時計を乗せた車が止まっている。そこには何とランナーが。この人が先頭を走っていた人か。こんなあっという間に差が詰まってしまったということは、もうペースダウンしたのかな?全く予想外の展開。早くも先頭を走ることになってしまった。
初めて走る計時車の後ろ。ずっと見張られているような気がして落ち着かない。ついついペースが上がってしまいそうだ。マイペースを維持するように気をつけて気をつけて。
そして、行きに通った峠をもう一度越えて戻っていく。入り組んだ海岸沿いで、景色のいいところだ。行きは真っ暗で何も見えなかったので、所々で立ち止まって写真を撮りながら走っていく。今年でここを走るのは6回目になるようだけど、相変わらず同じところで写真を撮っている。それだけここの景色、土地が好きなんだなぁと思った。立ち止まって写真を撮るたびに計時車を待たせてしまう。
45km手前のエイドではうどんが用意されていて、毎年楽しみにしている。今年ももちろんいただいた。そして再びスタートのある網野市街へ。まだ調子いい。スタート・ゴール地点の脇をかすめて行くときには、一瞬だけもうおしまいにできれば、と思ってしまうけど、これからが本番。
50kmを過ぎても、10kmごとのラップは43分前後で安定している。50km過ぎに「あじわいの郷」という園内を回る。ちょっとした丘の上にあるので、上って下ってこなければならない。面倒だけど雰囲気のいいところ。昔はここが受付会場だった。名簿で番号を確認して名前を呼んでくれる人もいた。僕のことを有名な人だといっている声がちらっと聞こえた。ちょっとうれしかった。
園内のエイドには手作りパンがあるとのことだったけど、ちょっと食べる気がしなくなってきた。まだ脚は動くけど、内臓がやられ始めたかな?
あじわいの郷をぐるっと回ってきても、まだ後ろのランナーは見えない。結構差が開いたんだなぁ。そんなに飛ばしている気はしないのに。
ぽつりぽつりと天気雨が降ってきた。ちょうど気持ちいいくらいに感じられたが、そういえばちょっと変な天気かもしれない。なんだかとても蒸し暑い気がするし。台風が近づいているせいなのだろうか?
56km付近の大きなエイドにはコーラがあった。あぁ、生き返った。食べ物もいろいろあったけど、やっぱり体が受け付けない。完全に内臓が参ってしまったようだ。仕方がないのでコーラでエネルギーを補給。まだ60kmも来てないし、ここで疲れてしまっていてはこの先大変だぞ。
60kmからはいよいよ一番の上りが始まる。何とか60kmまではちゃんと走ろう。今日は順位やタイムを狙いに来たのではない。あくまでもスパルタスロンに向けた練習。中身のある60km走と考えれば、その先は流しても問題ない。
何とか60kmまではちゃんと走って到着。ここのエイドで座り込んでしまった。もう疲れた。食べ物が入らなくなってしまったことが大きい。やはり先週のダメージが思った以上に大きかったようだ。特に内臓。体の芯からの疲れが残っていたようだ。まだ自分というものがよく分かっていなかった。調子に乗りすぎた。
ここから上りが始まる。しかもまだあと40kmある。ちょっとした絶望感に襲われた。それでもまだ先頭。今日は無理しないようにするとはいっても、ここで簡単に止めてしまうわけにはいかないので、とりあえず歩いて坂道を上っていく。計時車にはのろのろ運転をさせてしまって申し訳ない。「すいません」といっても返事はない。仕事に徹している。
なかなか後ろからランナーが追いかけてこない。抜かれてしまえば諦めがつくだろうが、まだ進み続けるしかない。時々ふらふらして倒れそうにもなる。早く抜かしてくれ。心の中で長い時間の葛藤が続いた。
今日の目標は「自分に負けないこと」。だけどここで無理をするわけにはいかない。先週のダメージはもちろんある程度予想していたし、再来週のスパルタスロンが本命。これだけ疲労してしまった以上、途中で止めてしまった方がいいのかもしれないけど、それは自分に負けたことにならないか?また、いろんな人のこの丹後にかける思いを聞いていると、簡単に止めてしまうわけにはいかない。だけど、もうおしまいにしたい。今日はいい60km走ができたし。あぁ、今先頭じゃなければ…。うん、やっぱりここは勇気を出して止めよう。思い切って止めることは自分に負けることではないはずだ。もちろん完走はしたいけど。上り坂は歩いているだけでも足の鍛錬にはなるので、最高地点の碇高原のエイドまで歩いていこう。そこでおしまいだ。
70km地点手前。ようやく後ろからランナーが追いかけてきた。やっと来てくれた。予想通り、各地の大会を転戦している知り合いランナーだ。「無理しすぎだ。スパルタスロンもあるんだろ?」。思わず「すいません」という言葉が出た。なんだかとても説得力があった。後ろ姿を見送りながら、ほっとしたのか一気に緊張の糸が切れたようで、膝を突いて座り込んでしまった。
そのすぐ先のエイドで、もう止めようとしていることを話した。でもあと4kmほど先の碇高原までは歩いていきます、と。途中でも車からエイドにいた人が心配して声をかけてくれた。ようやく開けたところに出て、エイドまであと2kmほど。少し上ってはいるけど、のんびりのんびり走りだした。自転車の人と話をしながら。そして、ようやく碇高原エイドに到着。
もう一人後ろからランナーが来た。この人も毎年いろんな大会で会う知り合い。もう止めようと思っていることを伝えたが、出発間際に「ゴールで待ってるから」と言われた。そんなことを言われたら行くしかない。何とかのんびりなら走れるようにはなってきたし、この先大きな上りはないので、もうちょっと先まで行こう。ここではオレンジジュースを大量に飲んで燃料補給。スープもあったので塩分補給。固形物は摂れない。
この先は一気に下っていく。始めはゆっくり下っていたけど、段々調子に乗ってきた。もう行くと決めたら無理をしないでなんて言っている場合ではない。半分意地だ。1km分を切るスピードで下っていた。
それなりに走れてはいたけど、写真を撮っている余裕などない。エイドでも長居をするともう進みたくなくなってしまいそう。とにかく集中して前を追う。85km付近で、さっきの2位のランナーに追いついた。でも、結構脚を使ってきたので、一気に追い抜かす力はない。
その先ずっと、抜きつ抜かれつの併走が続く。自分は上りは上れないけど、下りと平坦で追いつく。「あの言葉で復活させてもらった身だから最後はお譲りしますよ。安心してください。」と言っても、気にしないで先に行っていいと言ってくれる。時々話しもしながら、ラスト2kmでは少し自分が先行していた。
あと1km。もう脚も体力も限界が近い。ちょっとペース配分を間違えた。ゴールでは写真を撮ってもらうから後ろを開けてくれと言われていた。言われなくても、この脚では近くでゴールすることはできない。後は確実にのんびりゴールを目指した。よくここまで戻ってこれた。あそこで止めなくてよかった。
あぁ、やっとゴールだ。最後は倒れこんでしまうかと思ったけど、意外と普通にゴールできた。結局タイムは8時間11分53秒。あれだけつぶれた割には何とかまとまった感じだ。順位はこの大会最高位の3位。
今回はいろいろな教訓を得た。やはり体の芯に残る疲労は思った以上に大きい。再来週のスパルタスロンに向けては、しっかり休養して回復させなくてはいけないと思った。そして調子に乗ってしまった前半のペース。先週のように、後半上げていけるくらいの方が、絶対にいい展開で走ることができる。特にスパルタスロンは長丁場。抑えすぎていると感じるくらいでもいいから、前半は慎重に入ろう。絶対今回の大会は次につながるものだと信じている。
記録・10kmごとのラップタイム
地点 | 通過タイム | ラップタイム |
---|---|---|
0km | ||
10km | 45分01秒 | 45分01秒 |
20km | 1時間29分03秒 | 44分02秒 |
30km | 2時間10分52秒 | 41分49秒 |
40km | 2時間54分50秒 | 43分58秒 |
50km | 3時間37分32秒 | 42分42秒 |
60km | 4時間23分01秒 | 45分29秒 |
70km | 5時間35分01秒 | 72分00秒 |
80km | 6時間34分43秒 | 59分42秒 |
90km | 7時間20分53秒 | 46分10秒 |
100km | 8時間11分53秒 | 51分00秒 |
8時間11分53秒 | 3位 |